Robloxの仕様変更が相次ぐ。ユーザーID・年齢区分・3D制作はどう変わる?
2026年6月18日
2026年6月、RobloxとRoblox Studioで、今後の開発や運用に影響する変更が相次いでいます。
特に重要なのが、ユーザーIDの扱いを変更する「Scoped User Identifiers」です。そのほか、年齢別アカウントの世界展開、Studio Assistantの3Dモデル生成強化、Studとメートルの換算基準変更なども進んでいます。
今回は、6月中旬までに確認された主な変更を整理します。
ゲームごとにユーザーIDが変わる「Scoped User Identifiers」
Robloxは6月中旬、Scoped User Identifiersの早期テストを開始しました。
これは、同じRobloxユーザーであっても、エクスペリエンスごとに異なるユーザーIDを割り当てる仕組みです。複数のエクスペリエンスをまたいで、同じユーザーを追跡しにくくすることが目的です。
単一エクスペリエンス内でDataStoreを使っている場合は、移行に配慮した仕組みが用意される予定です。ただし、複数のエクスペリエンスや外部サービスを組み合わせている場合は注意が必要です。
影響が考えられるのは、次のような設計です。
- 複数のエクスペリエンスでUserIdを照合する
- 外部データベースでユーザー情報を一元管理する
- 複数ゲーム共通のランキングを作る
- 外部サポートシステムに数値のUserIdだけを保存する
これまでUserIdを「Roblox全体で共通する変わらない識別子」として扱っていたシステムは、再設計が必要になる可能性があります。
特に、複数タイトルを運営している開発会社や、外部API・分析基盤と連携しているプロジェクトへの影響は大きそうです。
Roblox Kids / Selectが世界展開
Roblox KidsとRoblox Selectについても、6月16日前後から世界展開が始まったことが公式DevForumで案内されています。
Roblox Kidsは主に低年齢層、Roblox Selectは9歳から15歳程度のユーザーを対象にした区分です。年齢に応じて、表示されるエクスペリエンスや交流機能などが変わります。
制作者側では、次の項目がこれまで以上に重要になります。
- 年齢別の公開資格
- コンテンツ成熟度
- 広告の配信条件
- 審査プロセス
- チャットやソーシャル機能
- 子ども向けコンテンツとしての適合性
Robloxは今後、すべての利用者に同じエクスペリエンスを表示するのではなく、年齢層ごとに公開・発見・広告・交流の条件を変えるプラットフォームになっていきます。
親子向けのゲームでは、条件が厳しくなる面もあります。一方で、安全性や操作の分かりやすさを満たせば、Kids / Select向けのコンテンツとして見つけてもらいやすくなる可能性もあります。
Studio Assistantが分割された3Dモデルを生成
6月8日から12日の週次更新では、Roblox StudioのAssistantが、複数の名前付きパーツに分かれた3Dモデルを生成できるようになったことが紹介されました。
使用されるのは、/generate_meshや/generate_procedural_modelといった機能です。
従来のAI生成モデルは、全体が一体化され、後から修正しにくいケースが少なくありませんでした。パーツごとに分けて生成できれば、次のような編集がしやすくなります。
- ドアだけを開閉させる
- 屋根だけ色を変更する
- パーツごとにMaterialを設定する
- 不要な部分だけ削除する
- 当たり判定を個別に調整する
AIが生成した3Dモデルを、そのまま完成品として使うというより、制作のたたき台として利用しやすくなった変更といえます。
ただし、現時点で商用品質のローポリモデルを無修正で作れるとは限りません。トポロジー、UV、ポリゴン数、デザインの統一などは、引き続き人の手で確認する必要があります。
Release Notes 725が公開
Roblox StudioとClientのRelease Notes 725は、6月15日に掲載されました。
このリリース期間では、Scoped User Identifiersをはじめ、安全性やプライバシーに関係する変更が目立っています。
個別の制作機能だけでなく、ユーザー情報をどう扱うか、年齢に応じて何を表示するかといった、プラットフォーム全体の設計が変わり始めています。
Studとメートルの換算基準が変更
6月16日からは、Stud以外の単位を変換する際の基準が、25:7 Stud/mに統一される変更も予定されていました。
換算すると、次のようになります。
- 1m ≒ 3.571 Stud
- 1 Stud ≒ 0.28m
これは、既存のPartやマップが自動的に拡大・縮小される変更ではありません。単位の表示や変換で使われる基準を統一するものです。
Blenderなどの外部3Dソフトからモデルを持ち込む場合も、数値だけを見てサイズを決めるのではなく、Roblox Studio上でアバターと並べて確認する作業は引き続き必要です。
今回の変更から見えること
今回の更新で最も影響が大きいのは、Scoped User Identifiersです。
複数エクスペリエンスや外部データベースを使うサービスでは、従来のUserIdを前提とした仕組みが成立しなくなる可能性があります。
一方、Roblox Kids / Selectの展開は、年齢層ごとにコンテンツの公開方法や発見経路が変わることを意味します。
Studio Assistantの3D生成や単位基準の統一は制作作業に関係する変更ですが、ユーザーIDと年齢区分の変更は、ゲーム公開後の運用やデータ管理にまで影響します。
Robloxは、誰でもゲームを作って公開できる環境を維持しながら、プライバシー、安全性、年齢別の利用環境をより細かく管理する方向へ進んでいます。
今後は新機能だけでなく、ユーザー情報の保存方法や、公開対象となる年齢層まで含めて設計する必要がありそうです。
この記事の要点
2026年6月のRobloxでは、Scoped User Identifiers、Roblox Kids / Select、Studio Assistantの3Dモデル生成、単位変換基準など、開発と運用の両方に関係する変更が進んでいます。
特に、複数エクスペリエンスや外部データベースでUserIdを使用している場合は、今後の正式導入に備えて設計を確認しておく必要があります。
